ぼくはフリーランスとして仕事を始めて今年で3年目です。
自営業を続ける中で、合唱指揮の他に、ボイストレーニング、こころのトレーニング、研修講師、ワークショップのファシリテーション、電子書籍出版、デザインの制作など、色々なことを仕事にしています。
そして、その拠点は自宅(アパート)です。
職と住の一体
自宅で仕事をするのは快適です。
好きな音楽をかけながら作業が出来ます。職場環境を整える(掃除をする)ことが、そのまま生活環境を整えることに繋がります。
ただひとつだけ、最近、気になることがあり、それは、仕事でお客さんがたまに事務所に来られることがあるのですが、事務所と言っても(先ほど書いたように)ただのアパートなので、プライベートすぎる、ということです。
まあ、近所のカフェなどで打ち合わせすればいいのですが、パソコンを使う作業などを一緒にする時などは、やはり、自分の使いやすい環境などで仕事をしたいな、という想いもあります。
家を開く
最近、行政の方や建築家の方から話を聞く機会があり、「住み開き」という言葉を知りました。
人間関係が希薄になったと言われて久しいですが、「じぶんだけの場所を、みんなの場所へとちょっとだけ開く」=「住み開き」という発想で新しいコミュニケーションが生まれています。
「住み開き」とは、自宅や個人事務所のようなプライベートな空間を、本来の用途以外の新しいアイデアを盛り込むことによって、さまざまな人が集まれるパブリックな空間へと変えていく活動やそのスペースを指すとされていて、例えば、ホームパーティや自宅での文化教室、子育てサロンなど馴染みのあるものから、アトリエ、私設図書館、カフェといった斬新なアイデアを盛り込んだものまで各地で行われています。
例えば、ぼくはこんな暮らしを想像します。
長屋などを改装して、その玄関付近のスペースに個人事務所を作ります。そこは、普段は自分の仕事をする場です(職場)。
その事務所の様子は路地からもよく見えるようにガラス張りなどにして、お客さんが来られた際は、土足のまま気軽に入れるような空間にします。
目的があって来られる方はもちろん(応接室のような使い方)、ちょっとフラッとやって来られた方も歓迎。それまでしていた仕事の手を止めて、コーヒーを淹れて、世間話をするのも楽しい(縁側的な機能)。
夕方になり、子どもが学校から帰ってきたら、父の近くで宿題をしたりする(子どもの勉強部屋)。
休日は、ほんとに少人数の、ちょっとしたワークショップの場としても利用できる。
そして、その空間の奥と2階は、橋爪家の住居空間。そんな暮らし方が出来たら良いなあ、と思うようになってきました。
昨夜、妻とも改めて話しましたが、今のところ良好な関係が続いています(笑)
区をあげて空き家を探す!?
昨日は、生野区役所の職員の方々・建築家の方々などが集まり、(なんと書いたらいいでしょうか・・・)『生野暮らしをしたい人がいたら、皆で空き家探しを手伝いまっせ』のプロジェクトがありました。

生野暮らしとは、色々定義はあるかと思いますが、その一つは先ほど書いたような、住居と職場が近接した生活スタイルです。
戦後、日本は住む場所と職場を分けましょう、みたいな流れがあったそうです。でも、最近はSOHOなど在宅ワークを推奨する会社も増えてきている。
その点、生野区はもともとその文化として、自宅と工場が隣接している、職住一体型が多いと言います。
そんな生野暮らしをしたい、という方々と一緒に、空き家を探し、ライフスタイルに応じて、建築面からも環境を整えていく。それを行政も応援する。『みんなで手伝いまっせ』プロジェクトはそんなイメージです。
橋爪家は実験台
それぞれの立場の専門家が集まり、いくら話し合いを重ねたとしても、実際に事例を作っていかないことには、課題も見えてこないし、モデルケースも生まれない。
ということで、そのプロジェクトが来年以降、見える化されて、区外の方に提供できるように、橋爪家がその実験台になり、その様子をインターネットで発信していく。それを、橋爪家は選択しました。
その様子を見られた方の中から、「生野区って良いかも」「私も生野暮らしをしたい」という方が一人でも多くいらしゃったら、という想いで発信していきます。
そして、生野暮らしを始めた人々が繋がり合い、界隈を形成することで、生野区のエネルギーはさらに高まり魅力が溢れる。そんな日が訪れたら最高です。
先日のまちカフェに参加された方も、こうおっしゃっていました。「どうせ住むなら、自分たちの手で良いまちに」。ぼくも同じ思いです。
橋爪家、身体を張ります!