例えば何かを『向上させよう』と思った時、今までしていたことを制限する方が、むしろ望んでいるものに到達できる | ボイストレーニング

昨日もボイトレの仕事でした。

その生徒さんは、気持ちを込めて歌うと、右手を動かして表現のフォローをする癖があります。もちろん、本番のライブでその動きをしてもらう分には全然構いません。ライブは練習とは違いますから。むしろ、失敗を含めて色々なことが起こった方が、ライブの価値は高まるとさえ思う。

一方で、練習はしっかり負荷をかけた方が良い。そのためのレッスンです。その生徒さんにやってもらったことは『フラットな状態で歌うこと』。手も足も動かさず、目線を一点に定めて歌唱します。すると、歌うために使う身体の部分が少なくなり、自然と歌そのものにエネルギーを集中させることが出来ました。

その後、スタジオのオーナーであるすみれさんと喋っていてなるほどな、と思いました。

ぼくたちは、何かをより向上させよう、強めよう、と思ったとき、例えば、生徒さんのように『動かしている右手』を、より速く、大きく動かすことによって、結果を得ようとすることがあります。

でも、そうではなく、強めようと思った時は、むしろ、その手をぴたりと止めてみる。その方が、実は望んでいるものに到達できるのかもしれない。そんなことを考えました。

p.s.

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投稿者:

橋爪大輔

1985年生まれ