おはようございます。今朝は7時に起きました。
劇団に勤めていた頃、同じ作品をワンシーズンで10〜20回ぐらい、各地の小学校で公演していました。
何度も何度も同じ作品をしていると、お客さんがどの瞬間で笑い声を出すか?
そして、その笑いが収まるタイミングがどれぐらいか?も既に知っているような感覚になっていました。
その「笑い」に合わせて、役者も演技を進めていく。演劇って舞台と客席の双方向コミュニケーションだな、思っていました。
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ある時、本当ならそこで確実に「纏まった笑い」が起きるはずなのに、笑い声が散った瞬間に遭遇しました。
そして、その「散った笑い」が2,3回続いたことを感じていました。
ぼくは3回目の時に気づきました。
先輩役者の方が、笑いが起こる為のセリフを「2秒」かけて言っていたからだと、ぼくは分析しました。
そのセリフは「1秒」で言うと、その速度によって笑いが起こる。でも、倍の「2秒」で言うと、間が伸びてしまって、客席の笑いも散る。
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入社3年目のぼくは、入社20年目ぐらいの先輩に対してそう思い、ある日、本番が終わった帰りのトラックの中で「先輩、あのセリフ、言うの長くないですか?」と話をしました。
すると、その先輩は「演出家の言うことには従うけど、後輩の話は耳に入れない」みたいな態度を示しました。そういう価値観の劇団だったんですよ(笑)
年齢や経験関係なく、思ったことを平気で口にするぼくは、その劇団にとっては「生意気」な奴でした。
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でも、結局、ある日、そのセリフが「1秒」で言われた瞬間を、ぼくは舞台上で確かに聞き取りました。
そして、今まで散っていた笑いは、予想通り纏まりました。
ほら、やっぱり(笑)
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劇団に入社した頃は、わからないことだらけでした。
でも、3年ぐらい経つと、劇団から教えてもらったことを基盤にして「舞台感覚」みたいなものがわかるようになっていました。
もちろん、今は第一線を離れたので、鈍っていると思いますが(笑)
※ 現役の頃は、毎晩入念にストレッチをしていたので、開脚したら上半身を床にペタリと付けられましたが、今は固くて無理です(汗)
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じゃあ、その20年ぐらいやっている先輩が、なぜ、ぼくの「2秒じゃなくて1秒」という感覚に同意してくれなかったか、と言うと、
おそらく、その先輩は自分の感覚よりも「上司の感覚」をずっと優先してきたのだろうな、と思います。
そうすると、何か思ったときも、自分がどう思ったか?よりも「お上はどう思うだろうか」のほうに意識がいく。
そうだとしたら、何年経っても自分で判断出来ない=自信はつかないだろうなあ、と。
★
自分が感じた感覚を信じる。自分が信じた自分を信じる。
それを「美しい」と思った自分を信じる。それを「美味しい」と思った自分を信じる。「違和感がある」と思った自分を信じる。
そんなことを、今朝、ふと思いました。

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