200年続いた土の時代を終えて、今年から風の時代に入った、とスピリチュアル業界の中では言われている。
でも、スピリチュアルの中の狭い話ではなく、本当に時代は大きく変わっている真っ最中だと思う。
研究者の山口周さんも『ビジネスの未来』(プレジデント社)という美しい装丁の本の中で「『経済発展』だけをいたずらに目指すのではなく、『より良い社会』の実現に、私たち人間のもっている才能や時間という資源を投入するべき」などの表現をされている。
山口周さんの言葉を他にも引用しておく。
「私たちの経済活動を、『未来のためにいまを手段化する』というインストルメンタルなものから、『いま、この瞬間の愉悦と充実を追求して生きる』コンサマトリーなものへと転換すること」
「コンサマトリーな社会においては、『便利さ』よりは『豊かさ』が、『機能』よりは『情緒』が、『効率』よりは『ロマン』が、より価値あるものとして求められることになる」
「一人一人が個性を発揮し、それぞれの領域で『役に立つ』ことよりも『意味があること』を追及することで、社会の多様化がすすみ、固有の『意味』に共感する顧客とのあいだで、貨幣交換だけでつながっていた経済的発展とは異なる強い心理的つながりを形成することになる」
「私たちの社会は、200年にわたって続いた熾烈な文明化の競争、効率化への強迫から、ついに解放され、さらなる上昇を求められることのない穏やかな高原社会に到達した」
この最後の文章など、まさに風の時代の表現だ。
山口さんは「Business as Art」を説く。
「現代アーティストというのは、(略)彼らは彼らなりの視点で見つけた『どうしても看過できない問題』を彼らなりのやり方で提起し、場合によっては解決しようとしている」
「ビジネスが『社会における問題の発見と解決』にあるのだとすれば、本質的にこれはアーティストが行っていることと同じ」
「これからの高原社会におけるビジネスはすべからく、私たちの社会をより豊かなものにするために、各人がイニシアチブをとって始めたアートプロジェクトのようにならなくてはいけない」
引用し始めたら、これも皆に共有したい、この言葉も皆に共有したい、とついつい多くなってしまった。でも、ここまで文章を読んでくれた方は時代の具体的な変化を理解してもらえただろうか?
ぼくは今、ギターを担いでアーティスト活動もしているのだけれど、山口さんの言葉に乗っかると、ぼくはぼくなりに「どうしても看過できない問題」をぼくなりのやり方で提起している。
それは、皆、対等に生きようよ、公平に機会は与えられようよ、ということだ。
「やりたい」という熱い思いさえあれば、誰もが皆、スポットライトが当る社会をつくっていきたい。
性別・年齢・職業・年収・国籍・フォロワー数・障害など・・・に関係なく、誰もが皆、尊い存在で、対等に関わりあう。そんな社会を作って行きたい。
その手段として、DAISUKE HASHIDUME LIVETOUR という取り組みをしているし、10月8日は神奈川県の相模大野で【 虹龍ライブ! 】という「アートプロジェクト」も実施する。
ただ音楽イベントをやろうよー!ということではなく、そこに深い想いや熱い思想を込めるつもりだ。
今朝、山口さんの本を再びパラパラとめくって、改めてそんな気持ちが自分の内側から沸いていきた。
2021.08.31

【 橋爪大輔 出演情報 】
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