博多に向かう新幹線に乗りながら、この文章を書いている。
朝8時前に新大阪駅に来たのだけれども、既に大勢の人達が何処かに向かおうとごった返していた。駅のホームのスタバにも長蛇の列が並んでいる。
これから三日間を福岡で過ごす。
今日は合唱ワークショップ in 福岡。明日は久留米でのライブにギター伴奏で出演。そして、春分の日の3月21日はイベントで数曲歌う。
旅に向かう朝はいつも高揚感で胸がいっぱいだ。そして、相変わらず旅はいつもあっという間に終わりを迎える。
旅は楽しいし、悲しい。
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ラテとサンドイッチを買い、席に着く。
iPadで文章を書こうとしても、FreeWifiがいっこうに繋がらないので、仕方なくスマホでポチポチと文字を打っている。
いつもはキーボードでカチャカチャと書いていた。でも、今、こうしてスマホでタイピングしても、問題なく文章は綴れる。
昨夜、Instagramのライブ配信に出演させてもらったが、それもスマホ一台で配信が出来た。
ぼくは普段、パソコンを使ってYouTubeでライブ配信をすることが多いのだけれど、配信するにあたって結構面倒な手順を踏んでいる。いくつかのスイッチをパチパチとONにして、カメラのピントを入念に合わせる必要がある。
そもそもパソコンの電源を立ち上げるのもよく考えたら手間だ。
動画編集をするので、まだパソコンは手放せないな、と思うが、ドキュメンタリーを作っていなかったら、もうスマホだけあれば本当はそれで充分なのかもしれない。
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旅に出るときは必要最低限のものしか持たない。それは荷物もそうだが、ありさまもそうだ。
本来無一物。
存在するものは全て空であり、我がものとして執着すべきものは一つもない。もともとは何も無かった。
過去の蓄積にこだわると、いつの間にか身動きが取れなくなる。
今までの成功なんてぶち壊してしまえ、と思う。ちっぽけな実績やプライドにしがみついて、何を誇らしげにしているのか。
世の中の殆どの人は自分のことなんて知らない。宇宙の塵のような存在だ。
人に好かれようと思わずに、孤立しても良いと腹を括り、衝動を貫く。
惰性的な人生などまっぴらごめんだ。