合唱の講習会に参加して考えたこと

今日は合唱のことを書きます。

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美しい寒梅館

昨日は、同志社大学の寒梅館で京都府合唱連盟主催の「新春講習会」が開催されました。京都府の高校生・大学生・一般合唱団が200人程集まり、6人の指揮者と一緒に、初見で音取りをして、その後、コンクールという形で発表する、というイベントです。

指揮者は、三浦真理子さん、水口尚樹さん、曽田俊和さん、阪正規さん、永井英晴さん、そして、ぼくも選んでくださいました。昨日も書きましたが、ぼくがこのイベントに指揮者として参加出来たのは、合唱団のみんなのおかげです。本当に感謝しています。連盟の三船さん、一緒にBグループで演奏してくれたみなさん、音取りを手伝ってくれた合唱団のメンバーのみんな、本当にありがとうございました。

基本的に昨日のイベントに対して全肯定している、という前提で、感じたことを書きます。

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開場前の打ち合わせの様子

昨日のテーマは大きく2つあり、一つは「高校・大学を卒業した後も、合唱をし続けてほしい」という想いでした。それに関しては、演奏を始める前にマイクで喋る機会があったので、少しだけ想いをお伝えしました。

ぼく達は今だいたい30歳ぐらいです。合唱団自体はもうすぐ7年目。男声は仕事で忙しくなる時期だし、女声は結婚して子育てをする時期です。ぼく達の合唱団も、ここ数年で赤ちゃんが7人ぐらいは生まれたんじゃないかな。つまり、普通に考えて、仕組み的に人は集まりにくい状態です。だから、毎回6人とか、8人とか、それぐらいで練習しています。

だから、昨日みたいに大勢の中で演奏できるというのは、実はすごく貴重なことなのです。大学合唱団だと70人ぐらいの規模で活動している団もあって、でも、それは実はすごいことなんだ、ということ。

で、昨日一緒に音取りしたり、演奏した人たちには、少しは伝わったんじゃないかな、と思うけど、ぼく達はぼく達なりに、楽しく、できることを一生懸命続けています。だから、ちょっとでも「この人たち良いな」と思われた方は、良かったら練習見学に来てください。あるいは、合同演奏をしませんか。

ぼくらは真田丸みたいなもので、小さい集団です。でも、昨日のようにエネルギーはあります。だから、ぜひ、(個人の方は)練習に来てほしいし、(連盟や合唱団の方は)活躍の機会を与えて下さると嬉しいです。

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大学の先輩と。10歳違うそうです

二つ目のテーマは「初見とどう向き合うか」です。

【初見】というのは、初めて歌う楽譜とどう付き合うか。初めてやることというのは、慣れていないので、わからないことも多いし、失敗もよくする。でも失敗すればするほど、ああ、これは違うんだな、と学習する。だから、こそこそぼそぼそ、小さい声で歌うんじゃなくて、<間違うのは当たり前>という感覚で、しっかり声を出した方が良いだろう、と見ていて思いました。

そして、それらも含めて総合的に思ったことは「コミュニケーションをいかにとるか」です。

昨日の様な【初対面】の人達が多い場で、適切に動くことが出来るか、って、合唱においても大切なことなんじゃないかな、と思います。例えば、パートで練習する時も、初対面同士だと、なかなか一丸になりにくい。

でも、一丸になりにくい中でも、一人一人が感じたことを全体に投げかけるアクションを起こしてみる。音が取りにくいなと思ったら、もう少し固まって円になって、みんなの声が効きやすくなるような工夫をするとか、明かりが暗くて楽譜が見にくいな、と思ったら、明るい場所に移動するとか、そういう「違和感」を自発的に言えるようなコミュニケーション力が、あったらいいなと思いました。 * 昨日、一緒に練習したBグループは、投げかける力のある方が多かったです

ぼくらの練習では、ぼくが「ここ、こうしたらどう?」みたいに言うと、ソプラノぐらいから「えー、やだー」みたいなコメントが返ってきて、それはそれで指揮者はやりにくいんだけど、でも、そういう「双方向性」みたいなものが、あると、もっと楽しいのに、と思いました。

初対面の場でも、受身、お客さんにならずに、グループが前進していくように動く力。これって、歌う力と同じぐらい大切なんじゃないかな。特に、高校生。大人ばかりで引いてしまうかもしれないけど、引くことによって、集団全体が重くなる時があるんだよ。

じゃあ、どうやったら、双方向性・コミュニケーションのバランス感覚が鍛えられるか、といえば、それは演劇的手法を用いた、シアタートレーニングが効果的なので、興味のある方は2/6のワークショップに参加して下さい(笑)↓

京都府合唱連盟の三船さん、昨日は本当にありがとうございました。また、いつでもお誘いください。

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02/06(土)14:00  –
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村上春樹も「楽しい」を基準にしている

京都に向う阪急電車の中で、スマホからブログを書いています。

今日は特別な日です。京都府合唱連盟のスタッフの方が、ぼくを指揮者としてイベントにお誘いして下さいました。スタッフのみなさま、ありがとうございます。

同志社の寒梅館に6人の指揮者の方と、高校生や大学生が集まり、6グループに分かれて練習して、発表しあう、という企画だそうです。書きながらもうドキドキしてきました。

ぼくがこのイベントに参加できるのはもちろん合唱団のみんなのおかげだし(指揮者は一人だと何も出来ない)、何より、指揮をするのを諦めようとした時に支えてくれた、カトーさんのおかげです。感謝しています。

それで、移動の電車の中で村上春樹さんの『職業としての小説家』を読んでいます。その中で、良い文章があったのでシェアします。

自分のオリジナルな文体なり話法なりを見つけ出すには、まず出発点として「自分に何かを加算していく」よりはむしろ、「自分から何かをマイナスしていく」という作業が必要とされるみたいです。

考えてみれば、僕らは生きていく過程であまりに多くのものごとを抱え込んでしまっているようです。

それでは、何がどうしても必要で、何がそれほど必要でないか、あるいは、まったく不要であるかを、どのようにして見極めていけばいいのか?
これも自分自身の経験から言いますと、すごく単純な話ですが、「それをしているとき、あなたは楽しい気持ちになれますか?」というのがひとつの基準になるだろうと思います。もしあなたが何か自分にとって重要だと思える行為に従事していて、もしそこに自然発生的な楽しさや喜びを見出すことができなければ、それをやりながら胸がわくわくしてこなければ、そこには何か間違ったもの、不調和なものがあるということになりそうです。そういうときはもう一度最初に戻って、楽しさを邪魔している余分な部品、不自然な要素を片端から放り出していかなくてはなりません。

はい、ということで、村上春樹さんもこんなことを言っていますね。足すのではなく、引く。わくわくすることをやる。そうでないものをやめる。そうすると、個性が際立つ。

ぼくの生徒さんでも、10数年近くやっていた仕事をやめて、自分のやりたいことをやり始めている御方がいます。やるか、やらんかですよね。

真田丸を観て、勇気づけられて、明日も行動しましょう。

文化芸術がビジネスの価値を高める

今、世の中が信じられないくらいの速さで、激変しています。それを感じていますか?感じること。感じる力をみがくこと。心をみがくことが大事です。心の時代になったんだということ。

心は見えません。でも確実に存在しています。人の心にもっと関心をもつ。目に見えないことに関心をもって大切にすること。成功したかったら、コレがとても大切なことです。

心をみがき、質感を高めていきましょう。心は見えませんが、それがあなたの未来をつくっていくのです。見えないものごとを感じとり、それを大切にしていくこと。今年はそれがテーマになっていくのです。

藤村正宏 2016.01.15

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昨日、藤村正宏さんのエクスマ新春セミナーに行ってきました(昨日のセミナーの様子はこちらにまとめました。ご興味のある御方や、行きたくても行けなかった御方に、少しでも雰囲気がお伝えできれば幸いです)。

鳥の骨の話

昨日、もっとも心に響いた話は「鳥の骨」の例え話です。

人類は最初、言葉が喋れなかった。わかりあえなかった。ある時、一人がたまたま鳥の骨を口にくわえて吹くと、綺麗な音がした。もう一人がその音を聞いて「綺麗だ、私もそう思う」とわかりあえた。それが芸術。そんなお話です。

それを聞いたとき、ぼくはふっと、ヴックのことを思いだした。

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左がヴックことVuk Milanovic

ぼくは、3年前に独りでハンガリーの国際合唱指揮セミナーに参加した。27歳だったと思う。まだ、当時は息子のはれ君もいなかった。

結婚式の一カ月前だった。

ほとんどその準備をせず、セミナー中はあまり連絡も取っていなかったので、妻はカンカンに怒り「披露宴が終わったら別れる」とまで言われていた。とほほ。

(でも、ちょっと聞いてほしい。一週間の外国でのセミナーだ。ぼくは毎日、90%ぐらい音楽のことを考え続けていたし、指揮の練習をしていた。そんな時に、ケーキバイトがどうだとか、BGMがどうだとか、、ねえ。いや、それが大切なことなのはよくわかるのだけれど)

もう、記憶がだいぶ不確かだけど、セミナーには日本人の他に、ハンガリーやルーマニアなど、複数の国から参加者が集まっていた。当時25歳のヴックはセルビアから来た作曲家だった。

指揮のクラスでは、スコアリーディング(楽譜の分析)の授業があった。

それは何かというと、一人ずつ、自分の予習してきた曲をピアノで弾く。そして、弾きながら、例えばソプラノを歌ったり、例えばテナーを歌ったりする、というもの。まあ、とにかく人前で歌わされたり、ピアノを弾いたりする試験だ。

ヴックはとてもナーバスになっていた。

自分の番になると「Oh,no」とか言いながら、なかなかピアノを弾こうとしない。ぼくは、その光景をぼーっと見ていたというか、あるいは、自分の番が来るので、多分自分のことばかり考えて、どきどきしていたと思う。

そして、ヴックがコチャールのAgnus Deiを弾き始めた時、なんと美しい音楽だろう、とハッとした。

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ブダペストにある世界で一番美しいマクドナルド

ある日の休憩時間。

ぼくが練習室でピアノの練習をしていると、ヴックがやってきた。椅子に座り、静かに僕の音楽を聴いてくれた。そして「very musical」と笑顔で伝えてくれた。

その後、ぼくらはとても仲良くなった。

日本に帰った後もFacebookで交流を続けたし、彼の作品を日本で演奏したり、ぼくの妻が書いた詩にヴックが曲をつけてくれたりした。

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ファイナルコンサートを終えてパーティにて もう3年も前の写真

これこそが、藤村さんの言う、「見えないものごとを感じとり、それを大切にしていくこと」だと思いました。

音楽は目に見えない。でも、音を聴くと、音楽を聴くと、その音を出している人間の心はなんとなく伝わってきます。それは音楽だけでなく、声もそうです。声にはその人のその時の体調や心理がよく現われます。

ぼくはイギリスの合唱指揮者 ギャレス・マローンのように、合唱をすることでコミュニティが活気づいたり、合唱をすることで経営層と現場などの立場を超えたり、合唱をすることで在日と日本の国籍を超えたり、そういうことが仕事として出来たら良いな、と思っています。

そういう想いを【合唱によるコミュニティ創造・活性化事業】という形にまとめて、大阪産業創造館主催のエクスマ・SNS活用セミナーに応募したら、応募多数で抽選にも関わらず、ぼくをメンバーとして選んでくれた。だから、これは「社会的にもいける、応援するよ」と勝手に言われているのだ、捉えて(笑)、この道を進もうと改めて思いました。

来週の火・水にその一回目(合宿)が滋賀であります。会場は温泉だそうです。ほんとに楽しみです。学んだことはまたブログに書きます。

p.s.

今、このブログの管理画面を見たら検索ワードで「ブログ アクセスあるけどいいねが少ない」というキーワードが書かれていました(笑)でも、大丈夫です。ぼくも同じですよ。どなたかわかりませんけど、お互い、気にせず楽しみましょう(*^_^*)

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